読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ひながたり。

writing practice as practice flight

ボーイング747の美意識とデザイン

飛行機 読書

ボーイング747は格好良い。デザイナーの山中俊治が著書「デザインの骨格」で述べているように、747には他の機体には無い独特の美しさがある。

747という航空機の構造や外観には、たまたまそうなったというような曖昧な物ではなく、はっきりとスタイリング上の意思を感じます。

著者は上記書籍で、ボーイング747を”20世紀最高のデザイン”と評し、ジャンボジェットについてまるまる1つのエッセイを割いて語っている。

 

ボリューミィな機首・4発エンジン・大きな垂直尾翼

特徴的なのは何といってもボリューミィな機首の部分だ。たぶんコクピットからの視界を良くする目的とか、ファーストクラス・ビジネスクラスの座席を確保したい狙いがあるんじゃないかな。あとは音速域周辺で飛行する飛行機ではその機体断面積をもこもこと変化させていた時代があって*1、その頃の名残だろうと予想する。

 

あとは翼に設けられた4発エンジンだ。最近ではジェットエンジンの性能も良くなってきて、双発でも十分なパワーが得られるようになってきているけど、やはりジャンボジェットは4発エンジンのほうが力強い印象がある。その反面、4発も積んでいると整備も結構大変だ。数が増えるぶん、騒音も大きくなるんじゃないかな。

 

あとは機体全体を眺めてみると、垂直尾翼の大きさに改めて驚かされる。胴体の2倍ほどもありそうな背の高さで、こんなに大きかったっけ? というくらい。でも調べてみたら、エアバスA380のほうがもっと大きな垂直尾翼を持っているらしい。これだけ大きければ、エアライン各社は喜んで自社のマークを堂々と描き込めるというもの。

 

合理的な設計と人間味

ボーイング747の美しさについては、上記書籍ではその設計者であるジョー・サッターを引き合いに、777と比較して述べられている。

私はエンジニア達に、ぶしつけな質問をしてしまいました。「777のスタイルには747ほどの美意識が感じられないのはなぜか」と。技術者達は口を揃えて、777も747も合理的な設計の結果である事に変わりはないと主張しますが、747の形についてしつこく食い下がると最後には、「偉大なサッターが決めた事だ」という言葉が何度も帰ってきました。

古い飛行機や船などの大型建造物を見るとしばし感じるのだけれど、当時コンピュータもない中で、よくもまああれだけのものを設計し作り上げたものだなと、人間の底力に感動する。逆に言えば人間の底力が感じられない・人間が思考する余地も無いほどに設計やものづくりが合理的なものとなってしまったら、それはとてもつまらない世の中になるんだろうな。

  

デザインの骨格

デザインの骨格

 

 

*1:たぶんこのあたりの事情ではないかと:エリアルール - Wikipedia

お越しくださりありがとうございます。このブログについて