ひながたり。

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清水亮 「教養としてのプログラミング講座」 - 処理と分岐とループを識る

教養としてのプログラミングって何でしょうね? 1章から3章まで使って丁寧に説明しようという著者の努力には頭が下がるけど、結局のところ3章の冒頭部分だけで事は足りるように感じます。処理・分岐・ループの3つだけで考える思考体系を知ること、言い換えれば日常よりもかなり低いレイヤーで厳密に思考する思考体系を知ること。これらがひいては論理的な考え方に繋がって、ちょっとくらいは人生を豊かにしてくれるんじゃないかな、と思っています。あと教養という意味ではコラムが面白いです*1。コンピュータの誕生から現在に至るまでの歴史をひと通り学べます。

 

4章は著者らが開発したビジュアルプログラミング言語・MoonBlockの紹介。教育向けには良いのかもしれないけど、こういうやり方で本当にあまねく処理が表現できるのかなって、古い考え方の僕はちょっと疑問に思ってしまう。まあ現在主流のGUIだってサザーランドが博士論文で提案するまで存在していなかったわけで、これからはこういう視覚的なプログラミングも普及していくのかもしれない。テキストベースのやり方よりも明らかにとっつきやすいしね。

 

5章はプログラミングの未来と称しながら、極めて散発的な内容で印象に残らなかった。唯一ためになったのはアラン・ケイの名言を思い出せたことかな。

The best way to predict the future is to invent it.

(未来を予測する最善の方法は、それを発明することである)

People who are really serious about software should make their own hardware.

(ソフトウェアについて真剣に考える者は、ハードウェアを作るべきだ)

ともあれ、著者らはなんだかんだでハードウェアまで作っている。普通の人間であれば未知の世界に足踏みをしてしまうところを、著者は彼自身の情熱と、ベンチャーならでは機動力で曲がりなりにも成し遂げてしまった。その点ではアラン・ケイを継ぐ体現者として、もっと賞賛されるべきではないかなと思います。

 

教養としてのプログラミング講座 (中公新書ラクレ)
 

 

*1:正直に言うと本書の中ではコラムが一番面白かった

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