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ひながたり。

writing practice as practice flight

幸村誠 「プラネテス(2)」 再読した、他

零戦の復元機体を見に行った話*1、機体そのものは美しくてかなり満足度高かったけど、当時のネット界隈の記事を読むと、この展示の真の目的は零戦を日本の空で飛ばすプロジェクトの宣伝らしかった。

gigazine.net

そして記事中でも紹介されてるけど、クラウドファンディングサービスのREADYFORで資金集めしてた。

readyfor.jp

でも、クラウドファンディング的には今回の展示ってどうなんだろってちょっと疑問だった。訪れてる人を見てると高齢者が多くて全体の半分かそれ以上、あとの半分は物珍しさに来た感じの親子連れだったり、飛行機の写真撮りたい人たち(自分含む;-)だった。高齢者、あんまりクラウドファンディングに縁無いだろうなという印象持ってたのと、正直なところプロジェクト自体がイロモノというか物好きっぽい感じしてて、クラウドファンディングそこまで伸びないんじゃないかって思って静観してた。

 

けれど、この前ふとした拍子にREADYFORのサイト覗いて見たら、このプロジェクト成立しててけっこう驚いた。今回の一件で、アプローチの仕方工夫すれば、それなりに潜在的な支援者に届くんだってことがわかって面白かった。実機展示というのはアナログなやり方だけど、老若関係なく届くし、機体大きいぶんやっぱりインパクトあるというのが実感できた。あと見に来てくれた人に対して口頭説明や模擬運用*2するだけじゃなくて、コクピットに乗せてあげたりもしてて、返報性の原理、より強く働いたかもしれなかった。

上のGIGAZINEの記事に去年11月時点でのREADYFORのスクリーンショット乗ってて、それによれば当時の達成金額は100万円ちょっとになってる。単純計算で実機展示後に1900万円も集まったわけだから、もちろん今回の展示だけじゃないだろうけど、ご利益だいぶあったんだと思う。

 

で、このプロジェクト見てて、なんとなくプラネテスにあった一節思い出した。漫画版第2巻、木製往還船フォン・ブラウン号に乗るか乗らないかというところで、ツィオルコフスキーの言葉を引用して息巻く八郎太に対して、父親の五郎が諭す場面。

「『地球は人類にとってゆりかごだ だがゆりかごで一生を過ごす者はいない』 今ゆりかごを出ようとしてる人類の一員として オレたちは負うべき使命があるんじゃないのか!?」

 

「……八郎太」「だまされてるぞ そいつぁツィオルコフスキーのついたウソだ」

 

「何をっ……!!」

 

「20世紀初頭に宇宙旅行を夢見たロシアのおっさんが それを叶えるために一発吹いたのさ」「大先輩は頭がいいから 自分の欲望を人類全体の問題にすりかえたんだ たいしたおっさんだよ」「オレは宇宙に来たかったから来たんだ 飽きたら去る それだけだ わがままになるのが怖い奴に 宇宙は拓けねェさ」

結構印象的な場面のはずなんだけど*3、台詞起こしで引用してみたら、文字だけだと凄みとか雰囲気全然伝わらないことに気付いた。なので詳しくは漫画で。

 

上記引用、宇宙が空に置き換わったとしても、そのまま通じる部分あると思う。零戦を飛ばしたいというオーナー個人の欲望を、特設ページに設えてあるような歴史とか文化遺産とかの日本人全体の問題にすりかえたんだとしたら、大先輩やっぱり頭いい。でもそれを狡猾だとか批判するつもりは一切なくて、そこはプラネテスのゴローさんの言うとおりで、わがままになるのが怖い奴には宇宙なり空なりは拓けないものなんだと、半ば本気で思ってる。

 

プラネテス(2)

プラネテス(2)

 

 

*1:堀越二郎 「零戦」 読んだ - ひながたり。

*2:翼端折りたたむ

*3:プラネテス公式ガイドブックのキャラクター紹介のページ、星野五郎の絵はこの場面から引用されてる

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