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ひながたり。

writing practice as practice flight

かかみがはら航空宇宙科学博物館行った

航空宇宙のミュージアム的なもの、外国ではわりとメジャーな気がするけど、日本では各務原にある航空宇宙科学博物館がほぼ唯一かつ最大規模なんじゃないかと思ってる。かかみがはら航空宇宙科学博物館、前々から一度は訪れたいと思ってて、今回ようやく行くことができたのでいろいろと感慨深かった。

 

www.city.kakamigahara.lg.jp

 

博物館の敷地に入ると屋外展示されてる機体が並んでいて、普段なかなか目にすることができない航空機たちを全方向から眺めることができる。国産旅客機YS-11の実物を今回初めて見ることができたのと、あと救難飛行艇のUS-1A、ここまで大きいと思ってなかったから、その大きさに圧倒された。岐阜という土地柄から川崎重工に関係した機体が多くて、施設内の展示もけっこう川崎推しな部分がある。

 

施設内の展示、入ってすぐの部屋がウエルカムハウスというのになってて、黎明期から第二次大戦までの日本の航空機の歴史が紹介されてる。部屋の中央に展示してある複葉機、陸軍の偵察機らしかったけど、これが日本の航空機の歴史の始まりです、みたいな感じになってた。

この部屋の最後で三菱の零戦と川崎の飛燕が並んで紹介されてて、両者のシルエットは似てるけど実は全然違ってたというのに驚く。飛燕は胴体が細くて翼弦長が短いのと、それにエンジンカウルがプロペラに向かってすぼまってて、零戦よりも華奢でスマートな印象を受ける。

あと、歴史の途中で九二式重爆撃機というのが出てきて、ああこれは日本版カリーニン7*1だなと思ったら、時代的にも1930年代で似たようなものだった。九二式重爆撃機ウィキペディアの記事*2を見ると6機しか生産されなかったらしくて、超大型爆撃機を作るのはやっぱり大変そうだった。

 

次の部屋が実機展示場になってて、かつての航空宇宙技術研究所が1機だけ作った実験機「飛鳥」が展示してある。詳しくはウィキペディアの記事*3に譲るけど、もともと輸送機を改造しただけあって、やっぱり大きくて迫力ある。今回の機体展示に限らないけど、ハードウェアや実物が与える感動とかインパクト、現状のVRでは代替できない部分あるなと感じつつある。

飛鳥は機内にも入ることができて、むき出しの内部骨格とか整然と並んだ試験機材とか、往年の試験の様子が偲ばれた。飛鳥の開発の経緯を紹介してる動画が機体の傍にあって、短距離離陸を達成したはいいけど、逆にそれが仇となって着陸難しくなったとか言ってて、操縦なかなか難しかったらしい。

飛鳥をはじめとする実験機のほか、初期のヘリコプターや、今では使われていないジェット練習機なんかもひととおり揃ってて、日本にもたくさんの種類の航空機があったんだなということにあらためて気付かされる。航空だけじゃなくて宇宙の展示もあって、H2ロケットのフェアリングとか、宇宙往還機とかが展示されてる。なかでもロケット打ち上げの紹介動画、終わりのクレジットにNASDA*4って入ってて、この博物館の展示趣旨ともあいまって懐古のおもむき感じられた。

 

帰り際に折角なので、飛燕の設計者である土井武夫の紹介冊子を一冊買ってみた。A4サイズで30ページ程度、装丁的にもなんとなく同人誌っぽくて親しみやすい。土井はドイツ人技師であるフォークトに従事して航空機設計を学んでるけど、そこでの経験が語られてる。

「(中略)エンジニアは計算も色々するけれども、本当にその思想を表すのは図面である。図面を描かなければ思想にならない。図面を描けば、それが自分の計算も自分の人生観までも表す。そういう風に育てられたのです」

やや精神的なきらいもあるけれど、だいたいは納得できる。プログラミングの世界にいる人間にとってみれば、設計図面というのはさしずめソースコードといったところだろうか。コード書いてたらそれが思想や哲学の発露となる、そんな風にできるようになれれば素晴らしい。

 

 

最後に博物館へのアクセス、最寄り駅からは徒歩では近寄れないほど遠くて、バスは本数少なくてかなり不便なので、自家用車をオススメします。

 

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