ひながたり。

writing practice as practice flight

倉島保美 『論理が伝わる 世界標準の「書く技術」』 読んでた

僕をして文章構造厨にせしめた本。いやでもなかなかよいものです。

 

論理的な文章が持つべき構造、もしくは論理的な文章の書き方といったほうが良いのか、「パラグラフ・ライティング」という世界標準のやり方があって、本書はそれを一冊使って説明してる。理科系で文書書きましょうとなると、理科系の作文技術 (中公新書 (624))っていう本がなかばバイブル的に取り上げられることが多いと思うし、実際僕も読んだ。でも、理科系の作文技術ではパラグラフ・ライティングの話題はたった一章ぶんで、ページ数にして20ページもない。なんで一章ぶんしかないかというと、理科系の作文技術では文章構造だけじゃなくて文章表現の話題もカバーしてるからで、全般的な知識は得られるけど、そのぶんパラグラフ・ライティングに割くエネルギーが減ってる。それに対して、本書は丸々一冊200ページ使って説明しているからずっと内容濃いし、なによりも文章例が豊富でわかりやすい。

 

本書の第一部、パラグラフ・ライティングとは何かというところから始まる。パラグラフ・ライティングの "パラグラフ" というもの、日本語に訳せば "段落" になるんだろうけど、両者ではちょっとニュアンスが違ってくる。日本語だと論理的な文章展開が文単位でなされるから、段落自体はそこまで強い意味を持ってなくて、話題の区切りだったり、強調だったり、文章長くなってきたから切るために入れるとか、少しあいまいな使われ方がされてる。一方のパラグラフ・ライティングだと、論理的な文章展開はパラグラフ単位でなされるから、パラグラフは論理の区切り・構成単位として重要な意味を持ってくる。加えて、ただ文章を並べて塊にしただけではパラグラフとはいえなくて、1つのパラグラフでは1つの話題についてだけ述べるとか、パラグラフの先頭にはトピックセンテンスを置くとか、いくつかのプロトコルがある。そういったプロトコルとか思想のたぐい、本書の第一部で詳しく解説されてる。

 

本書の第二部、パラグラフライティングの書き方の説明になってる。メタ的な話になるけど、ひとつのパラグラフでトピックセンテンス以外の残りの部分が持つべき内容について言及されてて助かる。トピックセンテンスというは論理の流れだからよしとして、ではそのトピックセンテンスをどうやって膨らませてパラグラフにするか、という技術が必要になる。本書ではその膨らませかた、すなわちセンテンスが含むべき補足情報として3つ挙げてて、話題の具体性の持たせ方が文章例とともに良く判るようになってる。

  • どういう意味か (What)
  • なぜそう言えるか (Why)
  • どれだけ重要か (How)

 

本書の最後の第三部、ビジネスでの実践例が描かれてる。実践例からわかるとおり、パラグラフ・ライティングを使って書くと、論理構造的にも、あるいは見た目的にもすごくわかりやすくはなるんだけど、これやると大変堅い印象を与えるというのが唯一よろしくない。たとえばこのブログでも書いたALcotのClover Day'sの感想記事*1、こんなだと杏鈴と杏璃の可愛さ感覚的に伝わらないし、プレイしてみたいなって思ってくれる人、あんまり出てこないと思う。まあこの感想記事はパラグラフ・フライティングの練習のつもりで書いてて、無理して構造作ってる部分あった。要は仕事以外の場面、なにか感想書いたり、感情表現するようなときに使うべきテクニックではないかもしれない。

 

本書を読んでから、論理構造作るのにアウトライナー方式のエディタがはかどることに気づいて、このブログの草稿もアウトライナーで書いてる。ブログの草稿、本書読む前まではevernote使ってポチポチと書いてて、まあ書けなくはないという感じだった。でも本書を読んでからは、パラグラフ・ライティングで書くには、もしくは論理展開で試行錯誤するには、アウトライナーが便利なことに気づいた。少し前まではとあるアウトライナーソフト使ってたんだけど、手元の環境ではノード移動のキーボードショートカットがなぜか効かなくて、不便だったので結局使わなくなった。その後しばらく探してたらSolっていうWindowsアウトライナー見つけて、今はそれ使ってる。少し古いけどWindows7でも8.1でも問題なく動作してる。大変使い勝手が良いのでよろしければおためしください。製作者に感謝!

Knowledge Osmo アウトラインプロセッサ Sol4.6リリース

 

 

あとがき

お察しの通り、この記事もあえてパラグラフ・ライティングで書いた。

同じ著者による英語ライティング版も存在している(理系のための英語ライティング上達法―情報を正しく効果的に伝える技術 (ブルーバックス))けど絶版なのか、Amazonだとマーケットプレイスの中古本しか出てこない。でも最近になってkindle版が出たらしくて助かる。

 

論理が伝わる 世界標準の「書く技術」 (ブルーバックス)

論理が伝わる 世界標準の「書く技術」 (ブルーバックス)

 

 

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