ひながたり。

writing practice as practice flight

jadda+ Issue2 読んだ

はじめに

まずは特設サイトをご参照ください。格好良い。

jaddaplus.com

 

サークルjadda+が去年の冬コミで出してた「このまえ見た夢」という本、秋葉原COMIC ZINで何の気なしに買ってみたらすごく面白くて、今回の夏コミでも新刊出しますということだったので買った。

今号の特集 「なんか、チームで同人誌作るの、めっちゃ難しくないですか?」 で、本書は「『いまは1人で同人誌を作っているけど、チームで同人誌を作ることにもちょっと興味がある・または苦手意識がある』という方に向けた本である」*1

僕自身はチーム制作はおろか、同人誌も作ったことがない、そういう立場で本書を読んだわけだけど、それでもとても良い読書体験ができたと感じてる。それを少しでも共有できたらと思って書いた。

 

 

良 さ

テーマの良さ

チームを組む必然性が必ずしも存在しない、かつ個々人の温度差が如実に表れてくる世界、それは主として同人活動の世界になるけれど、そこでのチーム制作を論じているというのが良い。

同人活動はその気になれば、かつ時間が許しさえすれば、ひとりでもやれないことはない。チームを組まない限り前に進めない、というものではない。しかも、「同人活動は基本的に本業とは別に余暇でやるものなので、どの程度時間を割けるのか、そもそもどのくらい本気で制作するのか、などの温度感に個人差がある」*2。そうした仕事とは異なる世界で、敢えてチームを組んで、難しさを乗り越えて制作するにはどうしたらいいか、というチーム論を述べた本ってなかなかないと思う。

一応補足しておくと、仕事の世界でまったく応用が効かないというわけではなくて、業務外活動、いわゆる社内プロジェクトというやつも、多かれ少なかれ同人活動に似た性質を持つと思う。なので本書のノウハウは、そういう場面でも活用できると思う。

 

内容の良さ

あと、内容として、個人的な体験や経験が強く反映されているというのが良い。

本書はjadda+が実際に同人誌を制作した経験をベースに書かれてて、良かったことだけじゃなくて良くなかったことも載せてあって、説得力がある。このあたり、一般的な商業誌だとなかなかやりにくいことだと思ってて、商業誌は対象読者をなるべく広げないといけない要請もあるんだろうけど、どうしても一般化された・万人にあてはまることが書かれがちだと思う。すると聞こえはいいんだけど、さらっとしていて心に引っかからない。本書はそうではなくて、具体的な記述が多くて、その部分に価値があると感じた。加えて僕個人としては、おそらく年代的に近いであろう著者が執筆しているというのも、肌感覚の近さ感じられた。

 

 

内 容

本の構成

章立て、特設サイトから引用するけど、チーム制作の最初から最後までカバーしてる。

第0章 イントロダクション

第1章 なぜチームを作るのか?

第2章 チームの種類

第3章 誰と組む?

第4章 はじめよう

第5章 何を作るか

第6章 ツールの選択

第7章 コミュニケーション

第8章 文化をつくる

第9章 困ったときは

第10章 祭のあと

見開きの2ページで1つの章を構成しつつ、章の合間にゲストチームへのインタビュー記事が入る。ゲストチームは全部で3つ、NC帝國*3、C-media records*4、そして超水道*5。本のデザイン美しくて読みやすいのと、あと誤字脱字が少しも見られなくて、すごく丁寧に作ってあって感動した。

 

第8章

数ある章のなかで印象的だったのは第8章、いかにして文化をつくるかというところ。チームの文化・チーム「らしさ」というもの、目に見えないので、多分に暗黙知のおもむき強くて一筋縄ではいかない。それでも意識的に文化をつくり、育てるよう心がけている、というのが著者の主張。より良い方向に向かおうという意志、本書全体に通底しているんだけど、とりわけ本章ではそれが強く感じられる気がして、勇気もらえる。

あと、第8章でjadda+のチームの方向性のキーワードが「穏やか」である、と書かれてて、なるほどと思った。冒頭で挙げた「このまえ見た夢」もそうだったけど、jadda+の刊行物、全体的にマイルドな読書体験で、読んでいて刺々しないのはこのためかとすごく納得感あった。余談だけど、穏やかのキーパーソンである「あおい姐さん」が誰だかわからなくて、最近のトレンドについていけてない自分がわかって残念だった。

 

 

おわりに

本書の最後、参考になりそうなおすすめ書籍が何冊か紹介されてて参考になる。とりあえずピクサーの本を読んでみたいと思う。

 

ピクサー流 創造するちから―小さな可能性から、大きな価値を生み出す方法

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