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ひながたり。

writing practice as practice flight

konel 「konel.mag Issue 03」 読んだ

読書 考えごと

(English version is available here)

 

はじめに

本書の発行元はkonelというサークル、以前はjadda+という名前だったのが、最近になって改名したっぽい。

 

konel-works.com

 

jadda+時代に発刊された本はどれも面白みあったし、とくに前著のjadda+ Issue 2は以前に記事*1にしてた。今回もその流れで買ったんだけど、表紙は前著のそれを想起させながらも、新たな趣きでリニューアルを感じさせる絶妙なバランス感覚で良い。

 

konel-works.com

 

今回の特集「サークル名を変えた話」で、表紙では「あなたのお名前、何でしょう?」と問う。名は体を表すという言い方にみられるように、名前はそのものの本質とみなされるのだから、大事なのは言うまでもない。加えて創作者にとってみれば、名前は自分自身を覚えてもらうためのもの、そして評価にもつながってくるということで、無碍にできない重要な決めごとである。その命名について語られた本。

 

 

Chapter 1

第1章の内容を目次から引用すると以下の通り。

なぜ名前を変えるのか?

何を目指していたのか会議

名前ブレスト

ロゴ

告知と振り返り

前著のチームでのものづくりのときもそうだったけど、今回も実際にサークル名を「jadda+」から「konel」へと改名した経緯・体験が詳細に語られていて、臨場感があって良い。自分たちの目指す方向性を確認し、名前をブレストし、ロゴを作り、そしてそれを告知するという一連の流れのなかで、具体的な作業もしくはアプローチが示されている。

 

名前を考えるのにブレストしましょう、ロゴを作るのにマインドマップを使いましょうといった技術の側面も参考になったけれど、でも一番大事なのはやっぱり最初に設定されるべき信念、向かおうとする理想だと感じた。本書でも読んでて一番力強さを感じたのが「ものづくり」「穏やか」というポリシー、あるいは「穏やかに ものづくりを ちょっと良くする」というスローガン(ミッション・ステートメントともいう)だった。スローガンは略すと「おもち」になって覚えやすい。

 

技術的な側面を取り上げるならば、読んでいて感じたのが、命名の能力というのはもちろんセンスに依存するんだろうけど、それでもある程度であれば体系化できるということ。命名という行為は多分にセンスを要求することが予想されがちで、それはネーミングセンスという言葉にもみられる。でも本書ではブレストなりマインドマップなりを通じて、命名を技術のレベル、いわば再現性のある状態にまで落とし込んでくれていて、それがセンスの無い自分にとってはありがたかった。技術に落としこむということは同時に他者との対話を可能にすることであって、本書の改名でも双方のアイデアが含まれた、より良いものが作れたことが指摘されている。他者とのインタラクションの中でこそより良いものが作れるという信念は、前著のチームでのものづくりでも語られていた通り。

 

 

Chapter 2

第2章は名前にまつわるインタビュー。名前の良い点・困った点というのはある程度は想像できるけど、でもやっぱり実際に使ってみないとわからない部分もあると思う。その意味では名前を持つ体験というのは、その名前を持った人もしくはサークルだけにしかできない本質的にユニークな経験であるから、他人がそれを知れる企画というのは面白い。前々著の夢日記的な趣きも感じてて、夢しかり名前しかり、こういう話題って個々人からなかなか出てきにくいという気がしてる。それは共有できないがゆえに好まない人も世の中にいるという理由からで、僕も普段話すことはしないけど、konel (jadda+) の同人誌はこの「普段話さないけど話してみたい、もしくは聞いてみたい」の部分にものすごく刺さるように作られてる(気がする)。そこを突くセンスは技術では真似できない。

 

個人的にはflap+flogのイワクラコマキさんの命名に激しく穏やかに同意。僕のid名の由来は以前にお題で記事*2にしたけど、見た目と響きにしか由来してない。アルファベットhinaのhとnで相似形を作りつつ、後ろの数字747は、hinaのnaの音を受けながらも、細長いシルエットから縦安定を増す役目を果たしている。でもhinaのところに可愛さありすぎてちょっと気恥ずかしい感じが抜けなくて、もうちょっとつつましいのにしておけば良かったという気がしないでもない。こういう話題を出せる機会ってそうないから、せっかくなのでここで語った。

 

 

余 談

英単語の頭文字を拾うタイプの命名、アクロニム*3がうまくなりたい。個人的に記憶しているのが、かつてJAXAが「プリキュア」という名前で研究を始めた*4というもので、正式名称はまともっぽいけど、でも絶対狙ってやってるとしか思えない。こういうのは略称がまずあって、そのあとで適当な単語を並べるんだろうけど、研究でもこのくらいのセンスを発揮できたらと思う。

 

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