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ひながたり。

writing practice as practice flight

GAME ON行った

はじめに

日本科学未来館でゲームっぽい企画展示やってたので行った。5月30日までなのでお早めに行かれることをおすすめします。

 

www.fujitv.co.jp

 

 

そもそもGAME ONとは

GAME ONはイギリスのバービカン・センターが企画・開催しているゲームの展示会。バービカン・センターというのは一体なんと説明すれば良いのか、文化的な催し物を運営する組織? のようで、公式サイトを見るとGAME ONの他にもいろいろ企画してる。なかでもGAME ONのページはこちら。

 

http://www.barbican.org.uk/bie/game-on

 

紹介によれば、このGAME ONは2002年5月のイギリス・ロンドンでの開催を皮切りに、世界各国で巡業しているもよう。数えてみたらこれまでに24箇所で開催されてて、そして今回の日本での開催が25番目、かつ日本では初開催だった。これまでの24箇所のなかには中国(12番目)や台湾(15番目)も含まれていて、ヨーロッパやアメリカはもとより中東やアジアでもすでに開催されてる。するとなんで日本ではこれまで開催されてこなかったんだろうという疑問が湧いてくるけど、そこはまあ色々と事情があるのでしょう。

 

 

旧いゲーム体験

展示室でまず入るのがオールドゲーム筐体と体感ゲームが並ぶエリアで、ここではコンピューターから始まるゲームの誕生、そしてアーケードゲーム、いわゆるゲーセンで遊べたゲームたちを紹介している。当時の専用筐体がそのまま置いてあるというのがなによりすごくて、独特の曲線美を持ったコンピュータースペース*1のそれは展示だけだったけど、スペースインベーダー*2とかゼビウス*3とかソニックウイングス*4はプレイアブルになってて貴重なハードウェア体験できた。ゼビウス筐体でいえば、操作感こわめの細長いスティック、最近のとは違って360度動かせるスティックの仕様、弾力のある押し込みのボタンと配置、あと椅子に座らないで立ったまま遊ぶ感覚、こういったのっていかにソフトウェアをエミュレートしようとハードウェアがなければ体験できないから、今回の遊べる展示というのはとてもリッチで意義があると思う。なんにせよハードウェアそれ自体に価値を感じる感覚は久しぶりに味わった。

 

展示にあったアフターバーナー*5鉄騎*6、以前から一度でいいから体験してみたいと思ってて、それが今回叶ったのが素晴らしかった。それぞれのゲームをものすごく大雑把に説明すると、アフターバーナーは仰々しい座席に乗って戦闘機の操縦を体感するゲーム、鉄騎はこちらも仰々しいコンソール(初代Xboxの専用コントローラーである)の前に座って巨大ロボットの操縦を体感するゲームです。どちらもハードウェアがあってこそのゲーム、ソフトウェアだけでは十二分に楽しめないのは上で書いた話に通じる。ちなみにアフターバーナーではよくわからないうちに撃墜されてゲームオーバーになったし、鉄騎ではまず巨大ロボを起動するところで一苦労して、ようやく動かせたと思ったらけっこうすぐやられるなど、昔のゲームのちょっと突き放した不親切な感じも味わえた。動かすだけで楽しいのは理想形だけど、そこに達成感、ようは難しみを設けつつ、かつ動かす楽しさも損なわないレベルデザインというのはなかなかに難しそうだなと感じる。

 

 

新しいゲーム体験

展示室を進むと一転してハンディなコントローラーとディスプレイが並ぶエリアに入って、ここでは最近のコンシューマーゲームが紹介されてる。そのなかでもGRAVITY DAZE*7を今回初めて遊んでみたんだけど、画面がすごく綺麗で、PS4ここまでできるのかという感じで驚く。主人公らしい女の子は可愛さあるし、重力を操る浮遊感・空を飛ぶことには独特のロマンがあって良い。展示なのでどのくらい長く遊んで良いものかがつかめなくて、適当なところで切り上げたけど、もうちょっと続けて遊んでたかった。あとNBA 2K16*8とかウイニングイレブン2016*9とかのグラフィック、僕は普段こういうスポーツゲームはやらないから事情に疎いんだけど、もはや実写かと見まごうばかりで、ゲーム機の性能向上には純粋に驚くばかり。

 

あと展示室の一番奥でPSVR体験できるらしかったので遊んでみた。こちらはプレイアブル展示とは別で、事前に整理券をもらう必要があります。以前にDC EXPOで体験した当時のOculusよりも視野が広くて解像度も高くなってた。頭の動きに追従して視野も360度動かせるようになってて、素人目には遅延も感じられなかった。おかげでかなりの没入感あって、こんなにも現実感あるのに下を向くと自分の体が存在してなくて、とても不思議な感覚味わえた。映像と音は存分にすごくて、でも一方でさきにアフターバーナーとかを遊んでたせいもあるのか、やっぱり身体感覚を伴わないとちょっと足りない感じあるなと冷静に考えてる部分もあった。とはいえPSVRは競合機種に比べたら廉価だし、出たら思わず買ってしまいそうでVRの意識高まった。

 

 

シューティングゲーム体験

上で書いたコンシューマゲームの展示エリアはいわゆる「○○ゲー」を紹介するという趣旨なんだけど、そのなかにはありがたいことにシューティングゲーム弾幕ゲーも含まれてる。展示されていたのは怒首領蜂大復活*10で、開発元がケイブ、発売元が初めて見るライジング・スター・ゲームズとなってる。紹介のところに書いてある目的が微笑ましくて、もうちょっとなんとかならなかったのかという感じ。もともと日本語で書かれた紹介を英訳して、それをまた日本語に訳しているからおかしなことになるんだろう。

 

[目的] あの3人のパイロットが2008年の時代に再び現れ、戦いを始める。エレメントドーター、巨大化したドールなどが待ち受けている。

 

展示そのものは縦置き画面でしかもアーケードコントローラーとおもてなし感が出てて、せっかくだからクリアしてやろうと意気込んだけど、故障かなにかでメニュー画面から動けなくて結局遊べなかった。弾幕ゲーのはしりを紹介するならば大復活よりもむしろ初代怒首領蜂*11のほうが良いんじゃないかと思うけど、そこは見た目の派手さ、国外での発売状況、展示するハードウェアのすみ分けあたりの事情かなと推察。

 

 

最先端テクノロジーの文脈から語られるゲームたち

上で説明したとおり、もともとは外国発の企画展示ということもあって、外国のゲームの展示が割合として多い。僕は日本のゲームにはある程度詳しいつもりでいたけど、外国のゲーム、とくにゲーム黎明期のそれらについてはほとんど知らなかったから、今回の展示を通じて外国がどれだけ頑張っていたかがわかって物知りになれた。とりわけ今回の展示のように、最先端のテクノロジーから続く文脈でゲームを述べるならば、コンピューターからゲームというものを生み出した外国の存在を抜きにしては語れない。日本での最近の流行であるスマホゲームの取り上げられ方が決して大きいとはいえないこと、一方で最近の潮流であるVR技術、PSVRがパンフレットにも出てるし、かつ展示の最後に登場することからも、今回の展示がテクノロジーから続く文脈でゲームを捉えている様子が窺える。

 

欲を言えば、ちょっと失礼な言い方にもなるかもしれないけど、わりとお利口なゲームばかりの並びになってたのが少し物足りなかった。一応はゲームの歴史を俯瞰した体になってるんだろうけど、テクノロジーの文脈でゲームを紹介していることもあって、そこにあるのは公共の福祉的に(うまい表現が出てこない)いかにも素晴らしいゲームたちばかりだった。そんな中で、展示室中のインタビュー動画で大阪大学のロボット研究者・石黒浩教授が語っているのを見て、そうだよねと思わず頷いてしまった。

 

(世の中には)マイナスの方向に思い切り振っているというゲームがなさすぎ、ゲームの世界はたくさんあるけど、半分のあたりだけにしか偏ってない

僕は「もっと可能性があるだろう」と思う。

 

今回展示してあるなかでマイナスの方向性を持ったゲームを探してみると、僕の理解のなかではGrand Theft Auto III*12がかろうじて見つかるけれど、これも音楽や映画といったアートの側面から語られるもので、その暴力性については触れられていない。あるいはマイナスかどうかはさておき、美少女ゲームというジャンル、BLゲームも含めれば恋愛シミュレーションというジャンルについて、その紹介は残念ながら影も形もない。たとえば人生と称されるCLANNAD*13なんかを見てみれば、多くのゲーマーが影響を受けていることは想像に難くないのにね。世界を巡業する都合上、万人向けにならざるをえないのはある程度は理解しつつも、その内容にもう少し広がり、石黒先生の言うところの「もっと可能性がある」部分を見せてくれたら、もっと楽しめたかなと思います。

 

 

余 談

  • 上で引用したGAME ONの本家のページ、一見してロマンのある語り口だけど、Termsのところに行くと一転してビジネスライクな体験できる。いったいどれくらいの額が動いているのかな?
  • フォント的にこれだけスプラトゥーンの雰囲気を醸し出しておきながらも展示はない。時期的に新しすぎたかあるいは大人の事情か、蚊帳の外というのもかわいそうだし、せっかくなので絵だけは借りよう。

 

Splatoon (スプラトゥーン)

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参考文献

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