読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ひながたり。

writing practice as practice flight

Purple software 「アマツツミ」 体験版遊んだ感想

追記2

製品版が発売されたので新たに記事を書いた。

 

hina747.hatenablog.com

 

 

追記1

体験版第2弾が公開されたので新たに記事を書いた。以下の本文の内容は古い可能性があります。

 

hina747.hatenablog.com

 

 

たしか2013年の初頭だったと記憶してて、等身大ポップに描かれた美少女、ヨドバシAkibaの売り場でふと見かけたキャラクターが、妙に印象に残ってた。彼女の造形、バラを模したであろうそれと、絵自体の鋭い・棘の有る可愛さとがすごく良く合ってて、とにかく不思議と惹かれたのを覚えてる。あろうことか夢にまで出てきてやまない、蠱惑的な彼女は一体だれだろう?――かくして僕は内藤舞亜、ハピメアという作品、そしてPurple softwareを知るに至ったわけだけど、どうでもいい前置きはこのへんにして、新作のアマツツミの体験版をちょうど遊び終わったので書く。結論からいうととても良かったので早速予約した。公式サイトはこちら。

 

アマツツミ

 

以下ネタバレ注意です。

 

 

意図を伝える

面白いなと思ったのが開発コラムで、ここでは製作者によって本作の開発の経緯が語られてる。

 

アマツツミ -開発コラム-

 

商業作品でこういった経緯が語られてるケース、僕の観測範囲ではあまり見かけたことがなかったので新鮮だった。経緯を語ることは個人的には善だと思っていて、それはこのブログでも何度か取り上げてる*1*2同人サークル・konelに影響を受けているからなんだけど、konel.mag Issue 3にある該当部分を引用しておく。

 

僕は、何か新しいものを公開するとき、「意図を伝える」ことを非常に重視する。どういうことかというと、最終的な成果物をただ公開するだけでなく、そこに至った経緯や理由も、できる限り同時に公開するということだ。経緯を読者と共有していれば、成果物に納得感が生まれ、勘違いや早とちりで解釈される可能性を減らせる。

 

コラムで言及されている前作のクロノクロック、僕は結局遊んでないからこの作品の良し悪しを語ることはできない。でも言及のされ方を見るに、上の引用でいうところの「勘違いや早とちりで解釈」されてしまって、製作側としては不本意だったのだろうと窺える。後出しで経緯や企図を語るのは言い訳がましくなってしまいそうなものだけど、こうして新作にあわせて語ってくれるのは、新作に対する意気込み・決意表明でもあるわけだし、そこはポジティブに受け止めたい。

 

 

内容

内容、上のコラムでも語られてる通り「学園恋愛ドラマ」だそうです。ゲームのビジュアルからは一見すると地味な印象を受けるかもしれなくて、それは具体的な要素で言えば日本の田舎という舞台、白さの際立つ・生命力を欠いたような夏、朴訥とした主人公と一様な制服を纏ったヒロインたち、しかも登場人物もそう多くはない。けれどそうした静の部分、賑やかさとは無縁で、ミニマルなつくりのなかにも心地良さはあって、それが確かに感じられたのが良かった。体験版の範囲で語るならば、煩くない舞台と画面はヒロインたちの清々しさを一層良く見せてくれたし、あるいは人物の少なさは、限られた人たちとの親密な・優しいやりとりを浮かび上がらせてくれた。

 

主人公は外の世界から離れた隠れ里にもともと住んでいて、でもふとしたきっかけで外の世界に踏み出すところから物語は始まる。キーになるのが主人公が持っている、言葉によって人を操ることができる“言霊”という能力で、体験版でもその能力が遺憾なく発揮されています。主人公がヒロインたち、そして外の世界に馴染んでいく日常の中にも伏線らしきものが見え隠れしていて、物語の始まりを予感させてくれる。

 

 

ヒロインたちの印象

織部こころ

たぶんメインヒロイン、かわいい。はじめの邂逅の場面では夏の逆光+夏服の制服という最強コンボで登場して主人公を踏みつけてくれます。特別な能力を持たないごく普通の人、けれど兄が好き。ほたる曰く「あら。こころんを『普通』だなんて油断していたら大変ですよ」そして彼女とは百合々々しい。

「わたしが、兄さんの帰ってくる場所なんだよ♪」

“言霊”の能力で他人から家族に一足飛びしてしまったあとの、彼女と過ごす夜の時間は安らかで、体験版第一弾はこの心地良い雰囲気のまま終わる。この穏やかな関係が続いてくれても良いんだけど、ゲーム的にはそれは許されることなく、物語は前に進んでいく。

 

水無月ほたる

開発コラムにあるストーリーの流れからして最後の要、かわいい。主人公の“言霊”が通じません。自由奔放でつかみどころがない感じ、楽しさドリブン。一見して不思議ちゃん、けれど意図してやっているような印象もある。そしてほたるとは百合々々しい。

「あなたは、まだ、何色でもないのね」

初対面の主人公に対する言葉。言葉通りの意味で、世界に降りてきた主人公がまだ善にも悪にも "染まって" いないことを言っているのか、それとも別の含みがあるのか。彼女の言葉はまるで世界を俯瞰しているようで、時にはたと考えさせられる。「“約束”は、ほたるたち普通の人も使える“言霊”なんだよ」夕暮れどきに主人公と二人きりで語る場面はただ美しかった。

 

恋塚愛

主人公と同郷で許嫁、かわいい。体験版での登場は序盤の回想シーンだけで、あまり印象に残ってなくてごめんなさい。主人公と同じく“言霊”の力がある。

「私は、あなたのもの。あなたは、私のもの」

主人公は彼女を里に置いたまま、外の世界に出てきた。開発コラムを見る限り、彼女の派生ルートもあるということは、主人公はふたたび里に戻るという選択をするのかもしれない。あるいは彼女も一緒になって里から外の世界に出てくるか。登場人物のところで他ヒロインと同じ制服であるところから察するに後者かしらん。

 
朝比奈響子

彼女だけ絵の雰囲気が他の3人と違っていて、でもかわいい。主人公とは一緒に図書準備室に行ったり、中庭に行ったりと順当に学園恋愛ドラマをこなす。主人公との初対面時に逃げてしまう、学園での初日に聞こえる言葉「誠……“言うを成す”」、あと幽霊が見える能力があって、ほたるを幽霊と勘違いするなど、伏線を張り続ける重要なポジション。

「私はあの世に片足をつっこんでますからね」

ヒロインの特技欄なんて普段は見ないけど、彼女のそれは「都合の悪いことを聞き流すこと」。僕もそれ得意だから親近感高い。

 

 

余 談

 

お越しくださりありがとうございます。このブログについて