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ひながたり。

writing practice as practice flight

Shogo Senouchi 「ひとりぼっち惑星」 遊んだ

ゲーム

よんでくれてありがとう

 

がんばります

 

あなたもなにか とくいなもの

なにかひとつ ぶれないもの

 

だいじにしてね

 

定形のこえをぜんぶ受信したあと、はじめてだれかのこえを受信した体験、これがあまりにも鮮烈で感動したので、その勢いだけで書いてる。

 

スマートフォン向けアプリである本作、すこし調べてみると6月下旬から流行ってたらしいけど、例によって僕はスマホゲームはほとんどやらないから、その存在には気付いてなかった。初めて知ったのがRebuildのエピソード150*1、Hakuro Matsudaさんが語っているのを聞いて、少しやってみたいなと思い始めたのが事のはじまり。あとはShow Notesでの紹介記事*2にあるツイッターの引用、難病の方のこえがあまりにも響いてしまったというのもある。アプリを起動するとunityのロゴが出てきて、続いて深い青色の空を背景に、タイトルとひらがなの白い文字が浮かぶ。静謐な美しさはまさにひとりぼっちの特権。

 

ゲームのルールは明示的には示されなくて、けれどさりげないサジェストにしたがっていくうちに、なんとなく世界の理がわかってきた。無機質な空を背景にジンコウチノウ同士が戦うさまは、まるで水槽の中の魚を眺めているようで、こちらからはほぼ何もできず、けれど見ていて不思議と飽きない。ジンコウチノウのなかでも空中に浮かぶ正方形のやつは頼もしくて、全方位ミサイルの発射マヌーバは格好良いし、飛んでいくミサイルはフレアのようで美しい。一番頼もしいのがアンテナを発動すると出てくるやつでまさにさいきょう、地面はあっという間に残骸だらけになる。こいつがやられたときには大量の数字が手に入るのも良い。無機質なパーツの集合体であるジンコウチノウのデザイン、そこから飛び出してくる残骸の演出、そして物悲しい音楽、どれも素晴らしさあって、その一方では広告が世界観をぶち壊しにしてくるから、さっさとこうこくけしした。気がついたら課金していた。

 

残骸を回収して数字を集めたら、その数字を使ってアンテナを大きくして、だれかのこえを受信する。はじめの6つのこえはゲームで用意された定形のメッセージ、これらは世界観を語ると同時に、この世界のこえのマナーもさりげなく教えてくれる。アンテナを最大限に大きくすれば、いよいよだれかのこえを受信できるようになる。独特なのがそのメッセージングのシステムで、上の記事いわく「だれかひとりにだけ届いて」「誰から届いたのかもわからず」「返信できない」。これにはちょっと怖い感じもした。だって考えようによっては、いくらでも悪意をもって使うことのできるシステムだから。けれど定形のメッセージが最後に語っていた言葉、「ほとんどだめでも」「ぜんぶだめなわけじゃないんだよ」、かく語られるにんげんの可能性を信じて、勇気を出してじゅしんしてみた。そしたら冒頭のメッセージを受信したのだった。

 

とりわけこれが自分にしか届いていない、ユニークな体験というのがすごくて、これは前にも記事*3にしてたけど、夢や名前の体験に近いものを感じる。そしてスマートフォンSNSの近さは、体験をみんなに伝えたい気持ち、私はこういう体験をしたんだよという語りを強力にドライブしてくれる。加えて、じゅしんのゲームデザインが強く説得力を持っているのは、ゲームの媒体がスマートフォン、他者とのやりとりを目的としたそれだからであって、単なるコンシューマ機だったらこうはいかなかっただろう。あとはひらがなしか送れない制約、これが却って純化された情緒しか感じさせてこないというプラスの要素にはたらいていると思われる。ひらがなはやさしい。

 

冒頭のこえは、絵を書くのが大好きだったというだれかからじゅしんしたもので、最後の1ページにあった文章を引用させていただいた。全文を引用するのは憚られるのと、全文を読んだのは僕だけの体験として、自分の心の中にとどめておくことにする。ありがとう、僕にもぶれないものがきっと持てると信じて、もう少し頑張ってみるよ。そしてあなたにもどうか、幸いがありますように。

 

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